公開間近の「スター・ウォーズ」最新作、批評家の間で不評?
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【12月19日 AFP】クリスマスを前に一般公開が迫る『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(Star Wars: The Rise of Skywalker)』は、人気SF映画「スター・ウォーズ」シリーズの完結編として納得のいく仕上がりが期待されていた。だが、すでに観賞した多くの批評家の間では、熱狂的なコアファン層にへつらい過ぎで独創性に欠けると不評だ。
映画評論サイト「ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)」に参加する批評家約150人が下した肯定的な評価の割合は57%で、約20年前の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(Star Wars: Episode I - The Phantom Menace)』以来の低評価。
米誌タイム(Time)も「ファンを怒らせることを恐れるあまり、プロの映画製作者による作品というよりもファンによるパロディー版のようになっている」と評価した。
批評家の多くが今作と比較しているのは、2017年公開の前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(Star Wars: The Last Jedi)』だ。より実験的な「スター・ウォーズ」作品と位置付けられている同作は批評家の受けは良かったものの、口うるさい少数のハードコアファンを激怒させた。
ジェダイ・オーダー(Jedi Order)の中心的信条である「バランス」を尊重した、好意的な評価もいくつかある。米娯楽誌バラエティ(Variety)は、1980年代の『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(The Empire Strikes Back)』以来の「最も優雅で円熟した、満足のいく『スター・ウォーズ』アドベンチャーだ」と評価。英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は「われらがヒーローたちにふさわしい、向こう見ずで、胸が張り裂けるような結末」だと評している。
英紙ガーディアン(Guardian)は、「巨大な戦艦スター・デストロイヤー(Star Destroyer)は、機敏に動けないほど扱いにくくなってしまったが、だからといって空から落ちてくることもない」とつづった。
アナリストらは今週末の米国でのオープニング興行収入を、映画史上最高の2億~2億2500万ドル(約220億~250億円)と見込んでいる。
米調査会社コムスコア(Comscore)の上級メディアアナリスト、ポール・デルガラベディアン(Paul Dergarabedian)氏は、好意的な評価は「ボーナス」であり、最初のファンが劇場で観賞して感想を述べたときに「真価が試される」という。「長期的な展望は、確かな口コミによって、映画が週を追うごとに世界的に好評を博していくかどうかにかかっている」と述べた。 (c)AFP/Andrew MARSZAL