【1月4日 CNS】中国・貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)の観山湖区(Guanshanhu)にある「土壤資料館」を訪れ、情報化技術を用いた科学的な「故郷の土」の管理保護の状況について取材した。

 敷地面積900平方メートル余りのこの資料館で保管しているものは書籍ではない。整然と並べられているのは大小のプラスチック製の瓶だ。瓶の中には貴州省の88の県、市、区の土壌サンプルが入っている。

 土壌資料館内のサンプル瓶には、サンプルの名称、登録番号、採取地点などの情報が記されており、1瓶の重量は300グラム以上と定められている。

 資料館の責任者の劉慶義(Liu Qingyi)さんによると、スマート化図書館のように、ある地域の土壌サンプルを調べたい場合、コンピューターで検索をすれば、即座に採取サンプルに関する基本情報を確認し、さらに瞬時にそのサンプル瓶を探し当てることができるという。

 貴州は「堆積岩の宝庫」といわれ、全域が山岳地帯と盆地が連なる独特な地形となっている。地勢の落差が大きく、立体気候が顕著で、特殊な地質と地理環境は、貴州の山岳地帯の農業に、他にはない特色のある優れた条件を与えている。

 山岳地帯の特色ある農業の発展を加速化するため、貴州省は2017年、全域で耕地の土壌調査と評価の作業を開始し、調査対象は耕地、園地と裸の土地などを含む面積4万8000ヘクタールにおよび、土壌、農作物、かんがい用水などのサンプル約50万点を採取した。

「土壌資料館」は貴州省が推進する「スマート耕地」プロジェクトの一つの成果だ。ここは、貴州省の土壌汚染状況、土壌観測データ、土壌汚染リスクなどの情報を集めた土壌データ管理プラットフォームでもある。

 これら成果の活用によって、貴州省の産業構造の改善、農産品の品質向上と環境に優しい農産品を作り出すため、科学的な支援を行うとしている。また、貴州の山岳地帯の特色ある農業の発展や、農産品の作付けと土壌改良に必要な情報提供を行うという。(c)CNS/JCM/AFPBB News