【12月19日 AFP】環境汚染に関連する死者数が世界で最も多い国はインドであるとする報告書が18日、発表された。報告書は大気や水といった、生活環境中の汚染物質が世界に与える影響を推定した。

「健康と汚染に関する世界同盟(GAHP)」が発表した今回の報告書では、汚染は早期死亡(早死に)の環境的原因の世界第1位で、全死者数の15%にあたる約830万人の死亡の原因となっていることが明らかになった。

 報告書では、アクセス可能なものとして最も近い年の2017年のデータが対象となった。環境汚染関連死の世界上位10か国には、世界で最大規模で最も豊かな国々の一部とともに、より貧困な国々の一部も名を連ねている。

 インドにおける環境汚染関連死は約230万人で、2位の中国は180万人だった。3位以降は、ナイジェリア、インドネシア、パキスタンと続いた。人口3億2500万人の米国は第7位で、環境汚染に関連する死者数は約20万人だった。

 汚染関連の死亡率は、世界最貧困国の一部で最も高かった。不十分な水質衛生と屋内の汚染された空気が主要な原因とされた。

 他方で、国民10万人あたりの関連死者数が最も多かった国は、チャド、中央アフリカ、北朝鮮で、それぞれ287人、251人、202人となっている。インドは第10位で国民10万人あたり174人だった。

 一方、環境汚染による死亡率が世界で最も低い10か国で目立ったのはアラビア半島(Arabian Peninsula)の国々だ。同地域からは5か国が入ったが、中でも死亡率が最も低い国はカタールだった。

 米保健指標評価研究所(IHME)のデータに基づく今回の報告書によると、世界の環境汚染関連死者の数は喫煙による死者数(約800万人)をわずかに上回るが、アルコール、薬物、高塩分食、HIV(エイズウイルス)、マラリア、結核、戦争などによる死者数を大きく上回っているという。(c)AFP