【12月19日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は18日、同国の第5世代(5G)移動通信網を構築するに当たり、安全保障上の懸念が取り沙汰されている中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)を参入させるよう中国政府から圧力を受けているとは認識していないと述べた。

 議会の質疑応答で、中国政府がドイツの政策決定に影響を及ぼそうとしているのではないかと尋ねられたメルケル氏は、「中国当局から何らかの圧力を受けているとは聞いていない」と答えた。

 米国をはじめとする同盟諸国の強硬な反対にもかかわらず、ドイツはこれまでのところ、ファーウェイに5G移動通信網構築への参入を禁じることを拒んでいる。

 メルケル氏は、ドイツは個々の企業を排除することなく厳格な安全保障基準を要求していくと強調。「一企業を排除することには反対だが、安全保障の確保のために手を尽くすことには賛成だ」と述べた。

 しかし、輸出に依存するドイツが経済的利益を最優先し、最大の貿易相手国である中国に譲歩する姿勢を批判する声も上がっている。(c)AFP