【12月19日 AFP】先月のラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)決勝で脳振とうを起こして途中交代したイングランド代表のPRカイル・シンクラー(Kyle Sinckler)は18日、ベンチから試合を最後まで見届けたものの、その記憶が全くないと明かした。

 シンクラーは自分の足で歩いてベンチに下がり、イングランドが南アフリカに12-32で敗れた決勝を見届けたが、脳振とうの影響で試合を思い出すことができないと認めている。

 まだ試合を見返していないというシンクラーは、英PA通信(Press Association)に対し「あの決勝から立ち直るのには3、4週間かかった。どん底だった」とコメントした。

「準決勝の直前にふくらはぎを負傷したので難しかった。状態はかなり悪く、満足に歩けないほどだった」「回復している最中だったが、決勝ではかなり大きな脳振とうを起こしてしまった。何が起きたのかほとんど分からなかった。決勝のことは何も思い出せない。自分で外に出たと言われるが、それが思い出せないんだ」

 このプレーでシンクラーのW杯は終わった。オーストラリアとの準々決勝で代表初トライを記録したシンクラーは、続く準決勝ではニュージーランド撃破に貢献するなど大活躍した。「聞いた話では南アフリカが最高のプレーをし、その日の勝者にふさわしかったらしい」 (c)AFP