【12月19日 AFP】ロシア当局は、クリール諸島(Kuril Islands、北方領土を含む千島列島)付近でタコ漁をしていた日本の漁船5隻と乗組員らを拘束した。ロシア外務省が18日、明らかにした。漁獲量が規定を上回っていたことを受けた措置だとしている。

 日ロは、第2次世界大戦(World War II)の終戦までさかのぼる北方領土問題をめぐり緊張関係にある。茂木敏充(Toshimitsu Motegi)外相は今週、ロシアを訪問し、北方領土問題について協議を行う見通しだが、拘束が影響をもたらす恐れがある。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は漁船5隻について、検査の結果、タコの漁獲量が日ロ間で結んだ協定で認められた量を上回っていたことが判明し、拿捕(だほ)されたと説明。「天候を考慮し、これら漁船はさらなる調査のためユジノクリルスク(Yuzhno-Kurilsk)港に連行された」と述べ、規定を上回っていた漁獲量は数トンに上るとも言明した。

 茂木外相は19日、北方領土問題の解決に向けた機運を高める狙いで、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と会談を行う。(c)AFP