【12月18日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は18日、太陽系外に無数にある惑星、通称「系外惑星」を観測する宇宙望遠鏡「ケオプス(CHEOPS)」を打ち上げた。

 打ち上げは午前8時54分(日本時間同午後5時54分)、南米大陸の仏領ギアナ(Guiana)にあるクールー(Kourou)の宇宙センターで、ロシアの宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」を使って行われた。当初は17日の実施が予定されていたが、直前のカウントダウン中にロケットの不具合によって延期されていた。

 打ち上げの様子は、欧州の宇宙産業大手アリアンスペース(Arianespace)が実況中継した。

 ケオプスは口径が30センチで、系外惑星の密度、組成、大きさを測定するよう設計されている。ESAによると、周回惑星を持つことがすでに知られている明るい星を観測する。

 今年のノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)を受賞したスイス人天文学者、ディディエ・ケロー(Didier Queloz)氏は17日、AFPに対し、ケオプスのミッションは「すでに発見されていて、太陽系には相当するものがないこうした不思議な惑星すべてについて、天体物理学的な理解を深めるための一歩だ」と述べた。

 ケロー氏は24年前、同じく今年のノーベル物理学賞受賞者のミシェル・マイヨール(Michel Mayor)氏と共に、こうした系外惑星の一つ目となる「ペガスス座51番星b(51 Pegasi b)」を発見。それ以降、同様の惑星は約4000個発見されてきた。

 ケオプスの打ち上げについてケロー氏は「重要な瞬間であり、感動的な一歩だが、私たちにとって真の魔法の瞬間が訪れるのは、最初の結果が届く時だ」と述べた。ESAによると、最初の結果は数か月以内に届く見通し。(c)AFP/Laurence COUSTAL