【12月22日 CNS】先ごろ発表された2019世界構造大賞(The Structural Awards 2019)で、同済大学(Tongji University)建築設計研究院が設計した「潭溪山(Tanxishan)展望ガラス橋」が「歩道橋賞」を獲得した。12の部門の中で、5部門が中国の構造設計によるものだった。

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 山東省(Shandong)淄博市(Zibo)潭溪山の景勝地にある「潭溪山展望ガラス橋」は、海抜700メートルの断崖絶壁の上にあり、2017年から正式に利用が開始された。世界初の「片持ち梁(はり)」ループ型斜張橋で、虹のような形の橋の下に重さを支える鉄骨はない。長さ117メートル、高さ101メートル、円形桁外側の最大半径は90メートルで、通行可能人数は1万人だ。

 淄博潭溪山旅游発展有限公司の侯紀山(Hou Jishan)董事長によると、この橋は同済大学の張啓林(Zhang Qilin)教授が設計し、2年余りの工期を経て完成。完成後は多くの遊覧客が訪れており、毎年この橋を遊覧する観光客は30万人に上るという。

 このガラス橋は山の頂上に建造されるため、岩体の安定性が設計施工の第一の難関となった。橋梁(きょうりょう)設計は、3次元レーザー位置決め技術を用い、6か所のレーザースキャンポイントを設置。絶壁の岩体の全容をスキャンし、点群統合およびノイズ除去処理により、岩体、橋脚と基礎の3次元データモデルをつくり上げ、データ計算と分析を行い、絶壁の岩体の安定性を確保したという。

 侯董事長によると、ガラス橋の完成後、景勝地の遊覧客は倍増し、周辺の食堂、民宿や農副産品の販売などに活気を与え、当地の観光業の発展を促進している。(c)CNS/JCM/AFPBB News