■AFPとのインタビューで

 伊藤氏は過去のAFPとのインタビューの中で、日本には黙って耐えることが尊いとされる文化があると指摘した。沈黙を破ったことで、伊藤氏の元へは侮辱や殺害の脅迫までが殺到した。

 中でも最もショックを受けたのは、女性たちから非常に丁寧なメールながら全てを暴露するなど恥ずべきことだという非難や「ふしだらな女、売春婦といったののしる内容が送られてきた」ことだったと語った。

 伊藤氏は、山口氏にデートドラッグを盛られたのではないかと疑っており、警察は薬物検査を行うのを怠ったと主張している。

 当時については、激痛の中で意識を取り戻すと、ホテルの部屋で山口氏が自分の上に乗っており、何が起きたのかすぐに分かったが、それを整理して理解することができなかったと説明した。刑事事件として捜査が始まるまでに数週間がかかり、警察からは山口氏は逮捕されると連絡が入ったが、警察は突然手を引いたという。

■山口氏「すぐに控訴する」

 判決を受け記者会見した山口氏は「すぐに控訴する」と述べ、「法に触れる行為は一切していない」と強調。裁判所は双方の主張の矛盾点を認めず、山口氏の主張を無視して伊藤氏側だけを真実と認定していると主張した。

 さらに、自らが沈黙している間にさまざまな国内外の報道があり、「今回の判決に何がしかの影響を与えたのではないか」と述べ、今後は積極的に主張していくと語った。(c)AFP/Natsuko FUKUE