日本の「#MeToo」 裁判、伊藤詩織氏が勝訴 山口氏「すぐに控訴」
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【12月18日 AFP】(更新)ジャーナリストの伊藤詩織(Shiori Ito)氏が元TBSワシントン支局長の山口敬之(Noriyuki Yamaguchi)氏にレイプされたとして損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は18日、山口氏に330万円の支払いを命じる判決を下した。
セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)告発運動「#MeToo(私も)」が世界的に広がった中、セクハラや性的虐待に抗議する動きがなかなか根付かない日本において、伊藤氏は自ら被害を名乗り出た。それによって日本の#MeToo運動の中で伊藤氏は象徴的な存在となり、裁判は大きな注目を集めた。
伊藤氏は、2015年に安倍晋三(Shinzo Abe)首相と近しい関係にある山口氏に就職相談をめぐって夕食に誘われた後、レイプされたとして、1100万円の損害賠償を求めていた。
山口氏は一切の不法行為を否定。伊藤氏に1億3000万円の損害賠償を求めて反訴していた。
東京地裁の前で「勝訴」と書いた紙を持った伊藤氏は、「私たちが勝訴しました。あちら側の反訴もすべて棄却されたとのことです」と述べた。
伊藤氏は判決の前にも記者会見し、幅広い支援を受けてきたと述べ、「今日も判決の日ということで、友人だったり応援してくださっている世界中の人から、結果はどうであろうと意味のある歩みをしてきたから、あなたと心を寄り添えているよというメッセージが今朝起きてからも届いて、いくつか拝見した」と語った。
また「欧米ではとても活発に女性たちが連帯して、このことについて語り合い、共に立ち上がっている姿を見て、(しかし)それは同時に日本で起きたとは思わなかった」と述べつつ、状況は変わりつつあるとして「(MeToo運動が)世界で同時多発的に起こったことで、日本で書けなかった、話されなかったことも輸入して話されたり、逆輸入されて私のことも(海外で)書いていただいたりということもあったので、本当に今までなかったような世界の中でのアクションだったのではないか」と述べた。
さらに伊藤氏は、日本のメディアの大きな問題点として、意思決定権のある役職に占める男性の比率が高いことを挙げた。