【12月18日 AFP】反人種差別キャンペーンのイメージポスターに猿のアートを使用し、批判を浴びていたイタリア・セリエAのトップが17日、謝罪を行った。

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 リーグ側は当初、ポスターは「統合、多文化主義、そして友愛の価値を守るためのもの」と説明していたが、褐色を基調に、少しだけ色の違う3匹の猿の顔のアップが描かれたポスターが広く批判と冷笑を浴びたことで、方針転換を余儀なくされた。

 セリエAを主催するレガ・セリエA(Lega Serie A)のルイージ・デ・シエルボ(Luigi De Siervo)最高経営責任者(CEO)は「シモーネ・フガソット(Simone Fugazzotto)氏の作品に傷ついたすべての方々に謝罪する」と話した。

「フガソット氏によれば、イラストには反人種差別のメッセージが込められているという話だったが、多くの人が作品に疑問を抱いた」「しかしセリエAが人種差別をはじめとするあらゆる差別を絶対に許さず、そうした現象の大会からの根絶に努めていることは疑問の余地がない」

 フガソット氏は常に猿をモチーフにさまざまなスタイルの絵を描いており、人間の服を着せるなどして文化や歴史的背景の違いを表現することが多い。今回のキャンペーンを前に行われたメディアのインタビューでは、「私は単に人間のメタファーとして猿を描いている」と述べ、そのテーマを今回使用した理由については「われわれ人間はもともと猿であるからだ。それで、西洋風の猿、アジア風の猿、そして黒人風の猿を描いた」と述べていた。(c)AFP