【12月18日 AFP】レバノンの首都ベイルートで17日未明、同国のイスラム教シーア派(Shiite)主要2政党の支持者らと治安部隊が衝突し、数十人が負傷した。民間防衛組織が同日、明らかにした。

 レバノンでは10月17日以降、無策で汚職がはびこった政治階級に対する抗議デモが起きているが、これまでのデモは概して平和的なものだった。街頭でのデモを受け10月29日にサード・ハリリ(Saad Hariri)首相が辞任表明に追い込まれたものの、激しく分裂している各政党の間では、後任の合意がなされていない。

 AFP写真記者によると、17日午前0時ごろ、イスラム教シーア派政党・武装組織のヒズボラ(Hezbollah)とアマル(Amal)を支持する若者らがベイルート中心部にある反政府デモ隊の主要拠点の襲撃を試みた。これに先立ち国外に居住するレバノン人男性がシーア派の宗教的シンボルを侮辱する動画が出回っており、支持者らはこれに触発されたとみられている。

 機動隊がほぼ無人の中心広場への支持者らの進入を阻止しようとしたため、支持者らは機動隊に石や爆竹を投げつけた。複数の車両に火がつけられ、治安部隊は催涙弾と高圧放水銃で応じた。

 民間防衛組織によると、23人が負傷し病院に搬送されたほか、43人が現場で治療を受けた。負傷者の身元などは今のところ明らかになっていない。

 治安部隊によれば、隊員25人が負傷し、3人が逮捕された。(c)AFP/Rouba El Husseini and Anwar Amro