【12月19日 CNS】中国・全国情報技術標準化委員会は先日、IT企業「商湯科技(SenseTime)」を幹事会社とし、27の企業と機構によって構成される顔認証技術国家標準作業チーム(以下「チーム」)を正式に設立した。

 チームの設立により、顔認証に関する国家標準の制定へ向けた作業が全面的に始動した。「商湯科技」の張望(Zhang Wang)副総裁はインタビューに応じ、目下の仕事は顔認証の国家標準体系の枠組みを作り、今後2年間の作業計画を策定することと答えた。

 張副総裁によると、2014年に顔認証アルゴリズムの正確度が初めて人間の肉眼による識別力を超えてから、顔認証技術は多くの領域で広く使われるようになった。顔認証の使用は、人々の生活に利便性をもたらすと同時に、多くの問題も引き起こしている。例えば、技術的な精度不足による身分詐称、ユーザー授権の盗用などの安全問題、顔データの収集、保存、処理などルール不足による情報漏えい問題、データの乱用、ブライバシー保護などの倫理的問題などだ。国民もこの技術の安全面での問題にますます関心を持つようになっている。

 今回のチームには「商湯科技」のほか、騰訊(テンセント、Tencent)、「中国平安(Ping An Insurance)」「螞蟻金融服務(アントフィナンシャル、Ant Financial)」など多くの有力企業が参加。チームのメンバー企業は、技術研究や製品開発から応用、運営、維持保障にいたるまでの全プロセスを網羅する豊富な経験を持っている。

 張副総裁によると、同チームの設立により、国家標準の策定が系統的に進められる。顔認識技術の中の個人データ管理、検査、インターフェースなどのルールを重点として作業を進めるとしている。

「チーム」は国際標準の作業にも参加する。今年の7月、中国電子技術標準化研究院の旗振りの下、「商湯科技」は中国代表団の一員として国際標準会議に参加し、顔認証技術の国際標準に関する提案を行った。多くの国の代表者が同提案についての質問を行い、国際標準の制定に興味を示したとされる。張副総裁によると、この提案に関する検討作業は続けられているとのことだ。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News