【12月17日 AFP】1996年に米ミシシッピ州で4人を殺害したとして6回の裁判を受けたアフリカ系米国人の被告が16日、7回目の裁判を前に保釈金25万ドル(約2700万円)を納付し、保釈された。被告は殺害への関与を否定している。

 カーティス・フラワーズ(Curtis Flowers)被告(49)は、1996年7月に短期間働き解雇されたミシシッピ州ウィノナ(Winona)の家具販売店で4人を殺害した罪に問われ、2010年に有罪となり死刑判決を受けた。

 しかし米連邦最高裁は今年6月、黒人の陪審員が除外されていたことが憲法に違反するとして、直近で下された有罪判決を破棄した。

 最高裁は、フラワーズ被告が有罪か無罪かについての審理は行わず、地方検事が意図的に黒人市民を陪審団から排除したかどうかを審理した結果、判決を破棄する判断を下した。

 フラワーズ被告の次の裁判について地元当局が決定を下すまでの間、フラワーズ被告の弁護人が保釈を申請。AFPが入手した保釈許可決定書の写しによると、被告の電子ブレスレット装着と保釈金25万ドル(約2700万円)の納付を条件に、16日に保釈許可が下りた。

 フラワーズ被告は5回の裁判を経て、6回目となる2010年の裁判で有罪判決を受けたが、人生の半分近くを収監されたまま過ごしてきた。3度の有罪判決は検察側の不備により控訴審で破棄され、2回の裁判は評決不能に終わった。

 米国法は同一の犯罪で2度裁きを受けることを禁じる一事不再理を原則としているが、フラワーズ被告の判決は確定していないため、同被告を再度裁判にかけることは可能とされる。(c)AFP