【1月25日 AFP】エジプト南部の厳しい環境下で、白い粉じんにまみれながら、低賃金労働に従事する人々がいる。

 首都カイロの南方約265キロ、ナイル川(Nile River)東部にある「白山」と呼ばれる石灰岩の採石場では、労働者らが安全性の低い現場でシフト制で勤務している。採石用機材から出る白い粉じんを避けるため、顔はゴーグルや布で覆われている。

 巨大な電動のこぎりを使って山腹から切り出された白い石の塊は、きれいに並べられ、積み上げられる。石は建設に用いられたり、セラミックとして活用するために磨かれたりする。古代エジプトのピラミッドや墓の建設に用いられた素材も同じこの石だった。

 ある男性(34)は「ここでは労災によるけがが深刻だ──死んだり、治らない傷を負ったりする場合もある」「初めは機械に安全カバーが装着されていたが、そのうちにカバーは消え、慎重に扱わなければ危険にさらされる状態になった」とAFPに語った。

 労働者の賃金は1日当たり100エジプト・ポンド(約700円)。家族を養うのにぎりぎりの金額だという。(c)AFP/Khaled Desouki