【12月16日 AFP】米国のスティーブン・ビーガン(Stephen Biegun)北朝鮮担当特別代表は16日、韓国のソウルで記者団に対し、行き詰まっている米朝核協議でこの年末までに新たな譲歩を迫っている北朝鮮政府の要求は「敵対的で極めて無益」だと述べた一方、新たな協議を行うよう北朝鮮側に呼び掛けた。

 ビーガン氏は、北朝鮮がここ数週間に出した声明はすべて把握しているとした上で、「米国、韓国、日本、欧州の米友好国に向けたこれらの声明が非常に敵対的かつ否定的で、極めて無益であるのは残念だ」と語り、「米国が持っているのは期限ではなく、目標だ」と述べた。

 北朝鮮はこのところ、国連(UN)決議で禁じられている弾道ミサイルなどの発射実験を繰り返し、今月に入って西海衛星発射場(Sohae Satellite Launching Ground)で数回の「重大な実験」を行った。米政府から受け入れ可能な提案がなければ「新しい方法」を取るとしているが、「新しい方法」の内容は明らかにしていない。

 ビーガン氏は、北朝鮮が数日中に大きな挑発を行う可能性は大きいという米政府の認識を示し、「最も控えめに言っても、そのような行為は朝鮮半島で永続的な平和を達成する上で一番役に立たないことだ」と述べ、「北朝鮮にいるわれわれのカウンターパート」に「今こそわれわれの仕事をする時だ。これをやり遂げよう。私たちはここにいる。われわれの連絡先は知っているだろう」と呼び掛けた。(c)AFP