【12月16日 AFP】香港で15日、黒服を着た少数の民主派活動家が市内の商業施設数か所でフラッシュモブを行ったことに伴い、破壊行為などの暴動が再燃した。警察当局はデモ隊の鎮圧に唐辛子スプレーを使用し、複数の参加者を逮捕した。

 沙田(Sha Tin)のショッピングモールで取材していたAFPの記者らによると、中等学校の女子生徒と16歳の少年が逮捕された。2人は警察に拘束される際に大声で自分たちの身元について叫んでいたという。

 これより前、同じショッピングモールでは、壁にスプレーで落書きをしようとしたデモ隊を買い物客が止めようとして小競り合いが発生。近くにいた年配の女性が突き飛ばされる出来事もあった。

 マスクをかぶったデモ隊は、香港外食大手の美心食品(Maxim's Caterers)が経営する複数のレストランを狙った破壊行為を展開した。香港では美心食品の経営者の娘が民主派の活動を非難したことがきっかけで、傘下のレストランを標的とした破壊行為が相次いでいる。

 先月の香港区議会議員選挙で民主派が圧勝したことを受けて、デモの暴徒化や破壊行為はここ3週間ほど小康状態にあった。15日は平和的なデモ行進に約80万人が参加した。

 しかし選挙の結果を受けても中国政府や香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官が新たな譲歩を示していないため、市民の怒りは払拭(ふっしょく)されていない。

 林鄭氏は現在年次訪問で北京に滞在しており、16日に中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と会談する予定。(c)AFP