【12月16日 AFP】サッカーの英イングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)に所属するメスト・エジル(Mesut Ozil)選手(31)がツイッター(Twitter)で、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でのウイグル人弾圧を批判したことを受け、中国中央テレビ(CCTV)は16日未明に予定していたアーセナル戦の放送を中止した。

 トルコ系ドイツ人のエジル選手は13日、ツイッターへの投稿で、ウイグル人や同自治区に住む少数派民族に対する中国政府による弾圧を批判。イスラム教の国々が批判の声を上げないことについても非難した。

 中国版ツイッター「微博(Weibo)」のプレミアリーグ公式アカウントによると、英ロンドンで現地時間15日に行われたアーセナル対マンチェスター・シティ(Manchester City)の試合は当初、CCTVのスポーツチャンネルで中国時間16日未明に生中継される予定だった。

 しかしCCTVは15日までに、放送予定番組を同じプレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)対ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)の試合に差し替えた。

 新疆ウイグル自治区をめぐっては、中国当局がウイグル人を多数派の漢民族に同化させることを目的とした収容施設を広大な自治区内の各地に築き上げているとして、国際的に批判が高まっている。

 人権団体や専門家らによれば、当局の厳しい監視下に置かれたウイグル自治区でこうした収容施設に拘束されているウイグル人らイスラム教徒を中心とする少数派民族の数は、100万人以上に上るという。

 エジル選手のコメントを受けて、微博では同選手が出場する試合の放送禁止を求めるユーザーも現れた。また試合の放送中止を受け、アーセナルのファンからもエジル選手に対する批判の声が上がった。

 中国の共産党機関紙系、環球時報(Global Times)は15日、ツイッターへの投稿で、エジル選手のコメントは「誤り」だとし、同選手が「中国のファンやサッカー運営関係者を失望させた」と主張した。(c)AFP