【12月16日 Xinhua News】中国初の宇宙飛行士で、中国有人宇宙飛行プロジェクトの副総設計師を務める楊利偉(Yang Liwei)氏と、日本の宇宙飛行士で日本科学未来館館長の毛利衛(Mamoru Mori)氏が14日、都内でトークイベントを開催した。

 イベントは科学未来館で行われ、会場は事前申し込みをした来場者約200人で埋め尽くされた。両氏はそれぞれの国の宇宙開発事業について、現状と今後の展望を説明した。

 楊氏は、中国が有人宇宙飛行計画を正式に開始した1992年以降、27年間(有人飛行成功は2003年)で11人を宇宙へ送ったと紹介。2022年ごろには「中国宇宙ステーション(CSS)」も完成すると述べた。また、中国はこれまで、各国との間で科学実験や宇宙飛行訓練などの国際協力を積極的に展開してきたと説明した。

 楊氏は、今回が初めての来日だが日本の多くの宇宙飛行士とは旧知の仲だと語り、日本の宇宙開発が非常に進んでおり、宇宙インフラや輸送能力、宇宙機の開発も世界一流レベルだと指摘した。また、中国は宇宙開発で開放的な協力姿勢を取っていると述べ、中日両国は今後、さまざまな段階やニーズで宇宙協力を行う可能性があるが、それには双方の共同努力が必要になるとの考えを示した。

 両氏は宇宙での経験を振り返り、宇宙から見た地球に国境はないと強調した。

 イベントの司会者が両氏の名前の中国語の発音(楊利偉:ヤン・リーウェイ、毛利衛:マオリー・ウェイ)が似ていると話すと、会場は笑いに包まれた。毛利氏は対談の最後に中国語で「挑戦未知、挑戦極限(未知に挑戦し、極限に挑戦しよう)」と語り、人類が手を携えて宇宙を探究することを呼び掛けた。(c)Xinhua News/AFPBB News