【12月15日 AFP】2年に1度開催される米国選抜と世界選抜による男子ゴルフの対抗戦、第13回プレジデンツ・カップ(2019 The Presidents Cup)は15日、オーストラリア・メルボルンのロイヤルメルボルンGC(Royal Melbourne Golf Club、パー71)で最終日が行われ、シングルスで圧倒した米国選抜が16-14の逆転で11回目の優勝を果たした。

 8-10とリードを許して最終日を迎えた米国選抜だったが、この日は多くの試合で序盤から大量リードを奪い、スコアボードを米国の赤に染めると、ウェブ・シンプソン(Webb Simpson)が安秉勲(An Byeong-hun、アン・ビョンフン、韓国)を下した試合で15-12へリードを拡大し、残る3試合中2試合でリードする中、優勝まであと0.5ポイントに迫った。

 世界選抜も、そこからキャメロン・スミス(Cameron Smith)がジャスティン・トーマス(Justin Thomas)を破って食い下がったが、迎えた11試合目の17番で、ベテランのマット・クーチャー(Matt Kuchar)が引き分け以上が決まる決勝パットを沈め、優勝を確定させた。

 喜びを爆発させた選手兼主将のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)も、この日は1番手で勝利してチームに勢いをつけ、今大会3戦全勝で優勝に大きく貢献した。

 ウッズは「11人の選手全員を信じていた。全幅の信頼を置いていたし、そのことは最初から言ってあった。みんな必要なポイントを取ってくれた。僕らは戦った」とコメントした。

「ポイントを落とした試合でも、簡単には相手にポイントを渡さないようにしたし、このカップは待っていれば与えられるものじゃない。プレジデンツ杯は勝ち取りに行くもので、僕らはそれを成し遂げた」

 若手メンバーも多かった世界選抜は、初日から3日目までリードを守り続けたが、経験と実績で上回る相手に最後の一押しが足りず、21年ぶりの優勝を逃す痛恨の結果に終わった。

 トニー・フィナウ(Tony Finau)と対戦した松山英樹(Hideki Matsuyama)が、10番までで4アップと勝利が見えていた状況から、引き分けで0.5点にとどまったのも痛く、続く2試合でパトリック・リード(Patrick Reed)とダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson)に敗れたことで、流れは一気に米国選抜へ傾いた。

 逆に米国選抜からすれば、1日もリードを奪えない状態から最終日にひっくり返した例は大会史上でもなかっただけに、見事な逆転優勝となった。

 熱烈なゴルフファンのドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も、すぐにツイッター(Twitter)で選手を祝福し、「タイガーと米国チームのみんな、おめでとう! 見事な逆転、とてつもない優勝だ。真のチャンピオンだ!」と書き込んだ。

 プレジデンツカップは今回が13回目の開催で、戦績は米国選抜が11勝。世界選抜の優勝は今回と同じロイヤルメルボルンGCで行われた1998年大会しかなく、残り1回は引き分けとなっている。(c)AFP/Martin PARRY