【12月15日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)がベルギーのアールスト(Aalst)で行われている毎年恒例のカーニバルの無形文化遺産(Intangible Cultural Heritage of Humanity)登録を抹消したことをめぐり、イスラエルのイスラエル・カッツ(Yisrael Katz)外相は14日、ユネスコの決定を歓迎した。

 カッツ氏はさらに、同カーニバルの取り締まりをベルギー政府に強く求めた。今年3月に行われたカーニバルには、かぎ鼻で金袋に座った姿で描写することで正統派ユダヤ教徒を風刺した山車が登場していた。

 カッツ氏は英語での声明で、「アールストのカーニバルをユネスコの無形文化遺産登録から抹消するという道義をわきまえ、理にかなった決定を歓迎する」「21世紀に入り反ユダヤ主義が再び台頭しつつあるが、このような醜悪な思想は絶対に許されない」と述べた。

 さらに、「カーニバルに反ユダヤ主義的な描写が含まれていたことについて、ベルギー政府が簡潔明瞭に反対意見を表明することを期待している」と訴えた。

 ベルギーのオランダ語圏に位置するアールストのカーニバルは、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されたが、コロンビアの首都ボゴタで開かれたユネスコの政府間委員会で13日に抹消された。(c)AFP