【12月15日 AFP】(更新、写真追加)スペインの首都マドリードで開かれている国連(UN)の気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は14日、地球温暖化への対策とその損害に対する費用分担をめぐり各国の隔たりがこれまでになく大きくなったマラソン交渉の末、会期を延長して協議が続けられた。

 それぞれにそれなりの理由がある富裕国と新興大国、貧困国は妥協点を見いだすことができず、議長国チリが提唱する案で最終合意できなかった。

 COP25の会期は12日間とされていたが、24時間以上延長して交渉が続けられた。しかし14日の交渉で、合意はいっそう遠ざかった。

 COPを長年観測している専門家らは、予定の会期を24時間近く延長している状況にあぜんとしている。米科学者団体「憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)」のオールデン・マイヤー(Alden Meyer)氏は、「気候関連の会議で、科学と世界の人々が求めている内容とここまでかけ離れたものが出されようとしているのは見たことがない」とAFPに語った。

■妥協の兆しも

 14日夜にAFPの取材に応じた観測筋は、これまで温暖化ガスを排出してきた先進国にはさらなる対応を取る義務があると改めて明記することと引き換えに、中国が削減目業をめぐる文言で少し譲歩するという妥協点が見えてきていると語った。

 地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」から来年離脱する米国は、気候変動の影響を受けやすい国々にとって死活的に重要な数々の問題で議論の足を引っ張っていると非難の的になった。NGO「アクションエイド(ActionAid)」のハージート・シン(Harjeet Singh)氏は、「気候変動によって人生が一変してしまった人々を支援する世界の試みを米国が妨害し続けている」と述べた。

 たとえCOP25参加国が土壇場で合意に達し、各国がこれまでに表明している目標を達成できたとしても、気温は2100年までに3度を超えて上昇する見通しとなっている。(c)AFP/Patrick GALEY and Marlowe HOOD