【12月15日 Xinhua News】中国科学院水生生物研究所などの研究者は、南極から単離した微細藻類クロレラNJ-7と温帯のクロレラUTEX259を研究対象にし、南極における微細藻類の早期適応メカニズムを10年以上かけて解明した。

 同研究所の徐旭東氏率いる研究チームは、ゲノム、トランスクリプローム、定量プロテオミクスに対する系統的な分析により、南極のクロレラの適応進化が主にLEAタンパク質と各種酵素レベルの上昇、一部酵素の前向きな選択性に基づくことを解明した。LEAタンパク質の蓄積が凍結状況下での生存を可能にし、鍵となる酵素の含有量増加が酵素活性の増加に直接結びつく。これらの要素により、初めて南極に来たクロレラでも気温0度近い条件下で代謝活性を維持し、生存できる。意外なことに、これらの南極のクロレラで含有量が増加した酵素やタンパク質は、ほとんどが低温に導かれて出現したものではない。

 徐氏は、今回の研究が南極におけるクロレラの早期適応メカニズムを初めて解明し、酵素が寒冷適応する前段階で細胞がどのようにして高い酵素活性を維持するかという問題を基本的に解決したと指摘。微生物などがいかにして南極の環境に適応するかといった関連研究に対しても重要な意義を持つと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News