【12月14日 AFP】ロシア当局は10日、「悪魔」であるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領をロシアから退治しようと、首都モスクワに向かって歩いていたところをかつて拘束され、今回再び旅に出発したシベリア(Siberia)出身の霊媒師(シャーマン)を拘束した。人権団体が明らかにした。

 自称霊媒師のアレクサンドル・ガビシェフ(Alexander Gabyshev)氏は8日、同国東部に位置する地元ヤクーツク(Yakutsk)から、同行者2人と犬4匹を連れて出発。だが人権擁護団体によると、ガビシェフ氏は10日、幹線道路上で警察に拘束されたという。同氏は3月にもモスクワに向かって歩く旅に出たが、9月に拘束され中断を余儀なくされた。

 この人権団体は、現場で多数の警察官や回転灯を点滅させた複数の警察車両が取り囲む中、雪に覆われた道路上でガビシェフ氏が拘束される様子を捉えたとする映像を公開。同団体幹部のアレクセイ・プリャニシニコフ(Alexei Pryanishnikov)氏は、ガビシェフ氏の逮捕後、当局が同氏を正式に起訴する可能性があると述べた。

 ガビシェフ氏には過激な活動の実行を呼び掛けた疑いが掛けられており、有罪となれば最大で禁錮3年の刑が科せられる可能性もある。

 ガビシェフ氏は今年3月にも、所持品を乗せた荷車を引きながら、約8000キロ先の首都モスクワを目指して出発。2021年までにモスクワに到着する計画だったが、行程の約3分の1を踏破したところ、9月にバイカル湖(Lake Baikal)沿岸で拘束された。

 ガビシェフ氏は最初の拘束後、診察のため精神科病棟に移送された。先の人権団体によると、専門家らはガビシェフ氏について「健全な精神状態ではない」と診断したという。

 その一方で、ガビシェフ氏のプーチン大統領に関する単刀直入な発言は世間の関心を集め、反政府抗議活動を引き起こしたり、親政府派のテレビで報じられたりした。さらに風変わりな試みの道中、信者たちのグループが彼の元に加わっていた。

 プリャニシニコフ氏は、プーチン大統領を追い払おうとしたガビシェフ氏の試みを当局は冗談と受け取っておらず、「体制派や警察はオカルトやシャーマニズム、魔術を真剣に受け止める」と指摘している。(c)AFP