【12月14日 AFP】火山噴火から5日が経過したニュージーランド北部沖のホワイト島(White Island、マオリ名:ファカアリ、Whakaari)周辺で14日、ダイバーらが海中で行方不明者2人の捜索を行った。また警察当局は、初めて公式に犠牲者1人の身元を公表した。

 ニュージーランド警察のジョン・ティムス(John Tims)警視副総監は、ダイバーらが「視界0~2メートル」の水中で捜索活動を行っており、「特異で困難な状況」に直面していると説明。ダイバーらは、遺体が浮いた状態で今週見つかった海域を集中的に捜索している。

 また同国警察はこの日、犠牲者の身元を初めて公式に発表。21歳のオーストラリア人女性クリスタル・ブロウィット(Krystal Browitt)さんは自身の誕生日を祝うため、家族とニュージーランドで休暇を過ごしていた。噴火の際には、姉のステファニー(Stephanie Browitt)さん、父親のポールさん(Paul Browitt)と同島を訪れていた。

 クラウドファンディングサイト「ゴー・ファンド・ミー(GoFundMe)」上でブロウィットさん一家のために立ち上げられた特設ページによると、クリスタルさんの母親は噴火時、船にとどまっていたという。

 その一方、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は、犠牲者の追悼のため噴火から1週間となる16日午後2時11分(日本時間同日午前10時11分)に1分間の黙とうをささげるよう要請。

 アーダーン首相は、「われわれは共に、亡くなったり傷ついたりした人々に対して悲しみの気持ちや、悲しみに暮れる遺族や友人への支援を表明することができる」と述べ、1週間前に噴火が発生したのと同じ時刻に黙とうを開始するとした。

 噴火発生当時にホワイト島に滞在していた47人のうち、少なくとも16人が死亡し、28人が同国内やオーストラリアの病院に入院している。うち21人は「深刻な容体」とされている。ステファニーさんとポールさんの現在の容体については分かっていない。(c)AFP