【12月14日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は13日、ベルギーのアールスト(Aalst)で行われている毎年恒例のカーニバルの無形文化遺産(Intangible Cultural Heritage of Humanity)登録を抹消した。

 コロンビアの首都ボゴタで開かれたユネスコの無形文化遺産保護条約政府間委員会(Intergovernmental Committee for the Safeguarding of Intangible Cultural Heritage)は、登録抹消の理由について「人種差別や反ユダヤ主義の表現が繰り返された」と説明した。こうした措置は前例がない。

 ベルギーのオランダ語圏、フランデレン(Flanders)地域に位置するアールストのカーニバルは、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録された。しかし、正統派ユダヤ教徒を風刺したかぎ鼻の人形が金袋に座った山車が登場し、4万人に上るベルギーのユダヤ人らから怒りの声が上がった。

 アールストのクリストフ・ダーゼ(Christoph D'Haese)市長は、ユネスコの会議で登録が抹消されることを見込み、8日にカーニバルを無形文化遺産の登録から取り下げていた。(c)AFP/Hector Velasco