【12月14日 AFP】(更新)英下院(定数650)総選挙は13日、全議席の勝敗が確定し、与党・保守党が365議席を獲得した。同党はマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元首相の最盛期だった1980年代以来の大勝を収めたことになる。

 英国では欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる3年の行き詰まりで弊害が生じているが、今回の選挙結果で離脱実施に道筋がついた。ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は大勝を受け、政治的な地殻変動が起こったと発言。来月末までに離脱を実行すると断言している。

 一方、最大野党・労働党の獲得議席は203にとどまった。これは1930年代以降最悪の大敗で、ジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首が辞意表明に追い込まれている。

 第3党のスコットランド民族党(SNP)は議席を48へと大きく伸ばし、スコットランド独立を目指す動きが勢いを増すとの観測が強まっている。

 EU離脱に反対する自由民主党は11議席を獲得した。

 ジョンソン首相は勝利宣言で、苦い分断をもたらした3年余りの政治論争を非難。「あらゆるナンセンスを終わらせる」と述べ、「1月31日までにブレグジットを実行する。『もし』も『でも』もない」と明言した。

 首相は同日、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)から正式な組閣指示を受けるため、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)を訪れた。

 ブレグジットに向けた手続きは来月、英議会によるEUとの離脱合意の批准をもって第1段階が完了するが、その後も英・EU間で貿易や安全保障に関する新たな合意を結ぶ必要がある。

 欧州理事会(European Council)のシャルル・ミシェル(Charles Michel)常任議長(EU大統領)は、協議の用意はできているが、EU側は優先事項を守ることに全力を尽くすと表明した。

 同議長は「私が言いたいことは極めて明確だ。こちらは準備ができている。何を優先すべきかは、すでに決まっている」と述べた。(c)Alice RITCHIE, Robin MILLARD and Phil HAZLEWOOD