【12月13日 AFP】アルジェリアで12日、大統領選の投票が行われた。選挙は1年にわたり続く政情不安を終わらせるはずのものだが、デモ隊による投票所の襲撃や、首都アルジェでの数万人規模のデモによって投票に混乱が生じた。

 同国では今年4月、20年にわたり政権を維持してきたアブデルアジズ・ブーテフリカ(Abdelaziz Bouteflika)大統領が抗議デモにより辞任に追い込まれたが、軍が背後につく政治体制の終了を求めるデモがその後も続いている。

 前日にも選挙に抗議するデモが行われていたアルジェでは、多数の警官隊が市内に配備されたほか、放水銃とヘリコプターも使用された。デモ再開を防ぐため、少なくとも活動家10人が拘束されたが、それでも数万人が都心に結集した。

 現場のAFP記者らによると、アルジェにある投票所ではデモ隊の侵入により投票が中断された。デモ隊は約30分後に警察により排除され、投票は再開した。

 また、少数民族ベルベル(Berber)人が多く暮らす北部の山岳地帯カビリー(Kabylie)地方でも騒乱が起き、住民によると群衆が「投票箱を荒らし、候補者名簿の一部を破壊した」という。

 大統領選には5人が立候補しているが、デモ参加者はいずれも「政権の申し子」だと反発している。(c)AFP