【12月17日 東方新報】国際ボランティアデー(International Volunteer Day)の5日、中国各地で貧困児童へのプレゼントや身体障害者への生活支援など、ボランティアによる多彩な活動が行われた。この日に限らず、中国ではボランティアに関わる人が年々増加し、公式登録者は1億人を超えている。2008年に四川省(Sichuan)で起きた大地震をきっかけに広がったボランティア活動は、日本とも関わりがある。

【写真10枚】大地震から戻ってきた「童話世界」九寨溝 中国・四川省

 日本では、阪神・淡路大震災が起きた1995年が「ボランティア元年」と呼ばれる。中国では、四川大地震が起き、北京五輪が行われた2008年が「元年」にあたる。

 2008年5月に発生し、9万人近い死者・行方不明者を出した四川大地震は、中国人に大きな衝撃を与えた。中国全土のオフィス街や住宅地で臨時の義援金コーナーに行列ができ、路上で物乞いをしていた男性が「私の身なりは汚れているが、心は汚れていない」と、日本円で数千円の「全財産」を寄付したことも話題を呼んだ。

 そして四川省などの被災地には「抗震救災(地震に負けず、被災者を救う)」という手書きの横断幕を掲げたワゴン車やバスが次々と駆けつけた。各地から自発的に集まったボランティアたちだ。大規模な団体活動といえば政府や行政の指示によることが多い中国では、異例の光景だった。がれきの撤去や支援物資の振り分け、避難所での被災者のケアなどに約300万人が関わったといわれる。日本をはじめ外国からの非政府組織(NGO)、民間ボランティアを受け入れたのも異例だった。

 そして同じ年の8月に行われた北京五輪では、大学生を中心に約150万人のボランティアが参加した。幼い頃から勉強漬けで一流大学に入った一人っ子世代の若者たちが炎天下の中、街角のボランティアステーションや競技会場で汗を流しながら立ち続け、「おもてなし」に努めた。

 突発的な災害以外に、日常的なボランティア活動も増えていく。出稼ぎで各地を転々とする両親に連れられて学校に通えない「流動児童」や、逆に両親が出稼ぎをして自宅で愛情を得られずに育つ「留守児童」を支援する活動、環境保全、障害者や高齢者の支援、貧困対策など活動の幅が広がっている。

 中国でのボランティアの広がりと日本が結び付いたのが、2016年4月の熊本地震だった。中国を象徴するパンダが、傷ついて包帯を巻いた「くまモン(Kumamon)」に食べ物を手渡すイラストがインターネットで広く拡散。「熊本に手を差し伸べよう」と復興を支援する動きが広がり、中国本土から熊本にボランティアへ駆けつける若者もいた。日本語がほとんどできない中国人も「四川大地震では日本人に助けてもらった。その恩返しをしたい」と自力で熊本の被災地にたどり着き、ボランティア活動をしていた。

 日中関係は政治面では絶えず揺れ動き、不安定な状態が続いている。理屈抜きに人助けをするボランティアの動きが国境を超えて広がれば、相互理解や不信感の除去につながり、多くの人にメリットをもたらすことになるだろう。(c)東方新報/AFPBB News