【12月13日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は12日、2020年シーズンの禁止薬物リストからマリフアナを除外し、扱いをアルコールと同等にすると発表した。また、MLBと選手会(MLBPA)が結んだ薬物に関する今回の新協定では、強力なオピオイド系鎮痛薬のフェンタニルに加え、コカインが検査対象に含まれることになった。

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 MLBのダン・ハレム(Dan Halem)副コミッショナーは、「予防、治療、認知、そして教育の原則に基づく今回の協定が、選手の健康と安全の保護につながることを願っている」と述べた。

 今後、薬物検査で陽性反応を示した選手は治療プランを受けることになり、治療に従わなかった場合は処分を科される。また2020年、2021年シーズンは、選手と球団スタッフに薬物に関する教育プログラムへの参加が義務付けられる。

 MLBでは今年7月1日、ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)のタイラー・スカッグス(Tyler Skaggs)投手が、薬物などの過剰摂取により遠征先のホテルで死亡しているのが発見されるという衝撃的な事件が起きた。27歳で亡くなった同選手の体内からは、アルコール、フェンタニル、オキシコドンの混合物が検出された。

 米国立薬物乱用研究所(NIDA)によると、マリフアナを使用する18歳から25歳の米国人の数は、年間1000万人を超えるという。

 一部の国ではマリフアナが合法化されている一方で、大麻の使用が不安症につながったり、うつ病に発展したりする可能性を示す研究もある。また、マリフアナの使用と物質使用障害になるリスクの関連性を示す研究も出ている。(c)AFP