【12月13日 AFP】アカデミー賞(Academy Awards)受賞の映画監督ロマン・ポランスキー(Roman Polanski)氏(86)は仏誌による11日付のインタビュー記事で、同氏にレイプされたと訴えるフランスの元女優の告発に関し、メディアが「私を怪物に仕立て上げようとしている」と主張した。

 ポランスキー氏は話を急転回させ、性的暴行などの罪で起訴されている米ハリウッド(Hollywood)の元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)被告が元凶だと批判した。

 インタビューは仏週刊誌パリ・マッチ(Paris Match)によるもので、ポランスキー氏が公の場で発言するのは告発があってから初めて。

 インタビューでは、フランスの写真家で元女優のヴァレンティナ・モニア(Valentine Monnier)さんが先月、かつてポランスキー氏にレイプされたと告発したことが取り上げられた。モニアさんは1975年にスイスにあるポランスキー氏の山荘で殴られ、レイプされたと主張しているが、同氏は「絶対にない」と否定。「ばかばかしい」とはねつけた。

 その後、ワインスタイン被告に話が向くと、ポランスキー氏は同被告を批判。自身の映画『戦場のピアニスト』が英国アカデミー賞(British Academy Film Awards)で作品賞と監督賞を獲得したことを受け、同作の米アカデミー賞受賞を妨害するために被告が中傷作戦を始め、同氏に「児童レイプ犯」のレッテルを貼ろうとしたと述べた。

 当時はワインスタイン被告が自身の映画『シカゴ(Chicago)』を売り出している最中だった。同作はその後、アカデミー賞で作品賞など6部門を勝ち取っている。

 ポランスキー氏は、「もう誰も興味を持っていなかったサマンサ・ゲイマーとの一件を26年後に掘り起こした」のは、ワインスタイン被告だと述べた。

 同氏は13歳だったサマンサ・ゲイマー(Samantha Geimer)さんに対する法定強姦の罪を認めた後、米司法当局から逃れるため1978年に米国を去っている。(c)AFP/Fiachra GIBBONS