【12月12日 AFP】古代エジプト国王ラムセス2世(Ramses II)の「希少な」胸像が、エジプトの首都カイロの南に位置するギザ(Giza)の近くで発見された。同国考古省が11日、発表した。ラムセス2世は第19王朝の最も有名な国王の一人だ。

 考古省の発表によると、ラムセス2世の胸像は、高さ105センチで幅55センチほどの大きさだったという。

 ローズ花こう岩製の胸像には、頭部に「カー(Ka)」を象徴する記号があしらわれていた。この種の像が発掘されたのは初めてで「希少な」発見になるという。カーとは人や神の生命力を表す古代エジプトの概念とされ、死後に人物や神をかたどった彫像に宿ると考えられていた。

 発表によると、考古省チームによる今回の発掘調査は先週、カイロの南方約30キロに位置するミトラヒナ(Mit Rahina)の私有地で行われた。近くには、古代都市メンフィス(Memphis)の遺跡がある。

 エジプトは近年、観光産業の回復を目指して国内各地での考古学的発見の広報活動に努めている。同国の観光産業は2011年の反乱後に続いて起きた政治的混乱によって大きな打撃を受けた。(c)AFP