【12月12日 AFP】チリ南部から南極の基地に向けて飛び立った後に消息を絶ったチリ空軍C130機を捜索している当局は、海上で搭乗者とみられる遺体や燃料タンクの一部、個人の所持品を発見したと発表した。チリの現地当局や空軍、ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領らが明らかにした。同機には乗客乗員38人が乗っていた。

 チリ最南マガジャネスイデラアンタルティカチレーナ(Magallanes y de la Antartica Chilena)州のホセ・フェルナンデス(Jose Fernandez)知事は12日、航空機の残骸と搭乗者の遺体の一部を発見したと発表した。

 これに先立ち、チリ空軍のエドゥアルド・モスケイラ(Eduardo Mosqueira)司令官は11日、C130機がレーダー上で消息を絶った位置から30キロ離れた海域で機体の一部を発見したと述べた。

 出発地点のチリ最南端プンタアレナス(Punta Arenas)で記者会見を行ったモスケイラ氏は、「通信の内容を確認して、この破片が本当にC130機のものかどうかを突き止める」と述べた。

 また、ボルソナロ大統領は11日、ツイッター(Twitter)に、ブラジル海軍の南極観測船アドミラル・マシミアノ(Admiral Maximiano)号がさらなる機体の破片と乗客のものとみられる所持品を発見したと投稿した。アルゼンチンのウスアイア(Ushuaia)から約518キロ離れた場所で見つかったという。

 C130機は南極のエドゥアルド・フレイ・モンタルバ基地(President Eduardo Frei Montalva Base)に向かっていたが、9日午後6時13分(日本時間10日午前6時13分)にレーダー上から機影が消えた。

 米国、ウルグアイ、アルゼンチンも救助船と航空機を出動させ、C130機が最後に確認されたチリ最南端ホーン岬(Cape Horn)と南極北部の間のドレーク海峡(Drake Passage)周辺約1000平方キロの海域で、捜索活動を展開している。

 C130機には多くのチリ空軍兵士の他に陸軍所属の3人、民間建設企業の2人、チリの大学関係者1人が乗っていた。(c)AFP/Paulina ABRAMOVICH