【12月14日 Xinhua News】中国黒竜江省(Heilongjiang)の興凱湖(ハンカ湖)国家級自然保護区管理局はこのほど、中国とロシアとの国境付近に位置する興凱湖に今年飛来した渡り鳥の中に、400羽以上のコウノトリを確認したと公表した。これまで同湖で観測されたコウノトリの渡りのグループとして最大規模になるという。

 コウノトリは中国の国家1級保護動物に指定されている貴重な鳥で、興凱湖は世界で絶滅が危惧される同種にとって「再生の地」とされる。ここ数年、同地では恵まれた自然環境を利用してコウノトリ個体群の回復事業を展開し、リモートモニタリングや鳥類標識調査、衛星追跡、人工営巣地形成などの方法で、コウノトリの個体数を増やしてきた。

 同管理局科学研究所の劉化金(Liu Huajin)所長によると、この10年余りの間に同湖では世界のコウノトリ個体群にとって貴重なひな2000羽近くが育まれ、この場所は中国のコウノトリの重要な野生個体群繁殖地の一つとなっているという。

 同湖は黒竜江省の南東部に位置し、中国とロシアの国境地帯に広がる。一帯には世界的にも貴重な湖と森林と湿地の生態系が残されており、渡り鳥の移動の大動脈となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News