【12月11日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は10日、スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)を「ガキ」呼ばわりした。トゥンベリさんは、先週末にアマゾン(Amazon)の熱帯雨林で先住民2人が殺害された事件を非難していた。
 
 ブラジル北東部マラニョン(Maranhao)州で7日、先住民グアジャジャラ(Guajajara)の2人が射殺され、警察が事件として捜査を進めている。同地域では数週間前に先住民1人が殺害される事件が起きたばかりだった。

 この事件を受け、トゥンベリさんは8日、先住民の人々が違法伐採を阻止しようとしたために殺害されているのに、世界が声を上げないのは「恥ずべき」ことだとツイッター(Twitter)に投稿した。

 極右のボルソナロ氏は首都ブラジリアの大統領府を出発する際、「グレタさんは、先住民がアマゾンを守っていたために死亡したと言っている」「あんなガキにマスコミが紙面を割くとは驚きだ」と述べた。

 さらに、「誰の死であろうと憂慮すべき」と述べた上で、自身の政権は違法伐採に反対していると主張した。

 トゥンベリさんはボルソナロ氏の挑発に素早く反応。ツイッターのプロフィル欄を更新し、ボルソナロ氏が使った「Pirralha(ピハーリャ、ポルトガル語で『ガキ』の意)」という言葉を掲載した。

 今年1月に就任したボルソナロ大統領は、アマゾンでの農鉱業開発を提唱している。ブラジルは先月に統計を修正し、2019年の1月~7月に伐採された熱帯雨林の面積は100万ヘクタールを上回り、この10年超で最大となったと発表した。(c)AFP