■パク・セウン(Sae Eun Park)さん(29) 韓国

 パク・セウンさんはパリにやって来た途端、ひどい幻滅を感じた。

「韓国国立バレエ団(Korean National Ballet)ではソリストだった。主役はすべて踊った」と話すパクさんだが、オペラ座に来たばかりの頃は条件付きの契約で、舞台のそでで出番を待つ日々が続いたという。「でも多くのことを学んだ」

 バレエに恋をしたのは、父親に「くるみ割り人形(Nutcracker)」を見に連れて行ってもらった時だった。

 地元ソウルではロシア人ダンサーらの指導を受けていたが、17歳の時にローザンヌ国際バレエコンクールで入賞。韓国人の元オペラ座ダンサーの指導を受けるようになり、フランスのスタイルに出会った。その時は、急に目の前が開けたようだったという。

 2015年にはロシア・サンクトペテルブルク(St. Petersburg)にある名門マリインスキー歌劇場(Mariinsky Theatre)にダンサーとして招かれた。

「恩師の一人がそこにいた。あの時のことは忘れられない。恩師は『あなたはとても変わった。でも、スタイルは変わっても忘れないで。重要なのは、あなた自身を内面から表現すること』と言っていた」 (c)AFP/Rana MOUSSAOUI