【12月11日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は10日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が訪米中のロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と非公開の会談を行い、ロシア政府に来年の米大統領選挙に介入することがないよう警告したと発表した。一方でラブロフ氏は、会談で選挙介入について取り上げたことを否定した。

 ホワイトハウスは、トランプ氏が「ロシアによる米選挙介入のあらゆる企てをけん制し、ロシアにウクライナとの紛争を解決するよう促した」と発表した。

 その直後にラブロフ氏は報道陣に対し、ホワイトハウスの発表内容を確認していないと話し、「現実には選挙について話し合ってさえいない」と述べた。

 米情報機関によると、ロシアは2016年米大統領選でトランプ氏に有利になるよう、ソーシャルメディアを操作するなどしていた。

 トランプ氏はこの「ロシアの作り話」を非難することを好み、実際にはロシアと対立するウクライナが選挙に介入したと力説。なお、米情報機関はこの説を完全否定している。

 会談に先立ってマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官と共同記者会見を開いたラブロフ氏は、ウクライナの陰謀だとの考えは「われわれに対する非難の不合理性」を表していると述べた。

 トランプ氏とラブロフ氏が会談したその日、下院の民主党議員らはウクライナ疑惑をめぐりトランプ氏に対する弾劾条項(弾劾訴追状)を発表した。

 民主党は、ラブロフ氏の訪問はトランプ氏の疑惑を一層強めただけだと指摘。外交儀礼に準ずると、トランプ氏は外相とめったに会談しない。(c)AFP/Shaun TANDON