【12月11日 CNS】中国国家映画産業発展専用基金管理委員会によると、今年の国内の映画興行収入は6日現在で前年より24日早く600億元(約9257億円)に到達。年間興行収入トップ10作品のうち、国産映画が8作を占めた。

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 トップに立ったのは、中国の古典を大胆にアレンジしたアニメ『哪吒之魔童降世(英題:Ne Zha)』で、興行成績は49億7400万元(約767億円)。中国初のSF大作映画『流浪地球(英題:The Wandering Earth)』が46億5500万元(約718億円)で2位、中華人民共和国成立70周年を記念した映画『我和我的祖国(英題:My People, My Country)』が29億8900万元(約461億円)で4位に入った。このほか、『中国機長(英題:The Captain)』『瘋狂的外星人(英題:Crazy Alien)』などもトップ10にランクインしている。

 上位にランクした国産映画は、質が高いという評価の上、アニメや文学作品などさまざまなジャンルに分かれており、中国映画がますます成熟していることを示している。『哪吒之魔童降世』のヒットは、中国の古典をクリエーティブな手法で表現することで新たによみがえらせることができると証明した。

 映画評価サイト豆瓣(Douban)で8.4点という高評価を得ている『少年的你(英題:Better Days)』は、学校でのいじめをテーマにした若者向けの映画。劇的な場面もかつての青春映画のような大げさな表現もなく、大学入試を前に学園生活で起きたアクシデントにより運命を変えられた少年と少女の姿を描いている。この作品が興行収入と観客の評価の両面で「勝利」を収めたことは、中国映画がリアルな世界を題材とし、さらに物語として昇華させる能力を高めていることを反映している。

 12月に入って正月期間に上映される作品の激しいバトルが始まっている。中国の映画市場は、昨年の興行収入総決算は607億元(約9365億円)を超え、新たなピークを迎えようとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News