【12月10日 AFP】フランス出身の元米プロバスケットボール(NBA)選手で、中国バスケットボール協会(CBA)の南京モンキーキングス(Nanjing Monkey Kings)に所属しているグエルション・ヤブセレ(Guerschon Yabusele)が、試合前の国歌演奏で同国の国旗を見なかったとして警告を受けた上で、罰金1400ドル(約15万円)を科された。

 CBAでプレーする選手は、中国国歌「義勇軍行進曲(March of the Volunteers)」が流れる際には国旗に目を向けることになっている。しかし、6日に行われた試合のテレビ中継では、ヤブセレが下を向く様子が確認されていた。

 これを受けてCBAは7日にコメント文を発表し、ヤブセレが中国国旗に注目する義務を怠っていたとして、「厳重注意」を言い渡すと同時に罰金を科した。NBAのボストン・セルティックス(Boston Celtics)で2シーズンプレーした後、今季からCBAに戦いの場を移した同選手は、この問題に関するコメントは出していない。

 中国政府は習近平(Xi Jinping)国家主席の下で愛国教育の促進に乗り出しており、2017年には国歌法が制定され、国歌への儀礼を欠いた場合は最大禁錮3年の刑が下されることになっている。

 ヤブセレへの処分をめぐっては、中国版ツイッター(Twitter)「微博(Weibo)」などソーシャルメディアで意見が分かれている。

 あるユーザーが、「彼は中国から金を稼いで喜んでいるくせに敬意を欠いている」「この選手はすぐにでも追放されるべきだ。そして、所属クラブも選手権を失格にされる必要がある」と書き込んだ一方で、「ばかげている。まずはじめに彼は中国人ではない。それに彼は起立していたし、侮辱するようなジェスチャーは何もしていなかった」「彼は下を向いていた。だから何だというのだ? CBAはいつの時代にいる? 50年は遅れている」との意見がみられた。(c)AFP