【12月10日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)内部のコンプライアンス審査委員会(CRC)の代表者は9日、ドーピングのデータ改ざん問題をめぐり主要国際大会から4年間の追放処分を科されたロシアについて、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)予選には出場できると話した。

 WADA常任理事会は同日、ロシア側が薬物検査に関するデータを改ざんした上で調査チームに提出したと認定されたことを受け、同国に対して処分を科すと決定した。

 CRCのジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)委員長は、「予選は世界王者を決めるわけではないから、ロシアは参加できる。この決定は本大会で適用される。本大会で世界王者が決まるからだ」とコメントした。「国際サッカー連盟(FIFA)も新たに何かしら提案してくるだろう」

 また、WADAのオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長は、ロシアが本大会の出場権を獲得した場合、「チームはロシア連邦を代表することはできない」と話している。

 FIFAは同日、昨年のW杯(2018 World Cup)を開催したロシアに対する処分の範囲について、より詳しい説明を求めているところだと述べている。

 これでロシアは来年の東京五輪と2022年の北京冬季五輪から除外され、政府関係者による主要スポーツ大会への出席も禁止となる。また、大会の開催権だけでなく立候補の権利さえも失う。

 今回の処分では、ロシア選手は国家ぐるみのドーピング違反と無関係だということを実証できた場合のみ、次の五輪2大会に出場できる。

 しかし、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で4試合が行われる予定のサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)は、処分の対象外となる。その理由は、WADAが欧州選手権を「主要大会」として定義していないからだという。(c)AFP