【12月11日 Xinhua News】中国のペットコミュニティーサイト「狗民網」とペットフェアアジアが共同で発表した「2019年中国ペット業界白書」は、都市部における犬や猫のペットに関する消費市場規模が今年、前年比18.5%増の2024億元(1元=約15円)になると予測した。犬や猫の数は前年から8.4%増え1億匹近くになるとしている。「90後」と呼ばれる1990年代生まれの世代が中国のペット消費の中心となり、高学歴で中流・富裕層の割合がさらに増えたことも分かった。

「狗民網」の劉暁霞(Liu Xiaoxia)最高経営責任者(CEO)は「中国の人口の高齢化と少子化という二つの流れが、ペット人口増加の大きなプラス要因となっている」と指摘。20年前の中国人にとって犬や猫などのペットは防犯やネズミ捕りなど機能的価値を持っていたが、今では情緒的訴求を満たす存在へと変化しているとの見方を示した。白書も飼い主の約6割がペットを自分の子どもと見なしていると指摘する。

 中国人のペットに対する意識の変化と中流層の増加により、ペットのQOL(生活の質)改善に向けた動きも高まっている。英調査会社ユーロモニターは、中国の飼い主の間でペット栄養食への支持が日増しに高まっており、バランス栄養食や食事療法に対する関心も増えつつあると指摘する。今年はハイエンドのドッグフードやキャットフードの売り上げが急速に伸びており、ペット用の衛生用品や衣服、家具などにも高級化の傾向が見られるという。

 業界関係者は、将来中国で大量の農村人口が都市人口に変わることや中国人のペット飼育数が現時点で先進国に比べ著しく低いことを考えれば、中国のペット消費市場の見通しは明るいと指摘。ユーロモニターの調査も中国のペット消費市場が今後5年間で年平均18.2%成長し、2024年には世界の市場の8分の1以上を占めると予測している。(c)Xinhua News/AFPBB News