【1月2日 CNS】「最初の利益が4元(約62円)だったことは今でも覚えています。この4元は私にとって非常に重要で、自分が何もできないわけではないことが分かり、生活に新しい目標ができました」

 中国・山西省(Shanxi)太原市(Taiyuan)に住む郭雲霞(Guo Yunxia)さん(51)は、ネットビジネスを始めた時のことをこう話す。車いす生活を送る郭さんは、苦境に立たされながら頑張り続ける母親を支援する「魔豆(モデル=modelの中国語音訳)ママ」プロジェクトで、再起を遂げた女性だ。

 このプロジェクトは、2010年に中国赤十字社と企業が共同で設立。苦難を乗り越えようとする母親たちを全国から見つけ出し、ネットビジネスを指南している。

 郭さんの苦境は2000年に事故に遭ったことから始まった。日常生活は車いすに頼るようになり、離婚のため6歳の娘を一人で育てなければならなかった。2011年に太原市で最初に「魔豆ママ」プロジェクトを受ける一人に選ばれ、1台のパソコン、1万元(約15万円)の起業基金で、新しい人生を始めた。

「起業して収入を得るようになると、生活に希望が生まれ、努力が報われると思いました」。最初は郭さんの母と娘が商品の包装や発送を手伝っていたが、ネットショップのビジネス拡大につれ、多くの障害者やシングルマザーが郭さんの会社に加わり、経営に携わった。

 2018年からは、山西省の特産品を海外に販売する越境eコマースを始めた。山西省の手工芸品や日用品、アウトドアやペットの用品などを米国、ロシア、日本など多くの国に販売している。

 郭さんは今、積極的に公益イベントに参加し、障害者らに社会参加するよう呼びかけている。国際障害者デー(IDPWD)の12月3日には、市の障害者連盟が開催したチャリティーイベント「竜城・心の旅」で多くの障害者と交流を深めた。

 さらに「起業によって私は家族の生活を守ることができました。これからもっと経験を共有し、障害者の仲間たちと共にeコマースを続けて行きたい」と抱負を語っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News