【12月9日 AFP】米フロリダ州ペンサコラ(Pensacola)の海軍航空基地で訓練を受けていたサウジアラビア空軍少尉が拳銃を発砲し、米海軍兵士3人が死亡、8人が負傷した事件で、米有力議員らは8日、サウジ軍を対象とした訓練プログラムの中止を米政府に求めた。

 共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員は米FOXニュース(Fox News)に、「私は同盟各国を気に入っているし、サウジアラビアは同盟国だ。だが、何か根本的に良くないことが起きている」「何が起きたのか解明するまで、サウジのプログラムを中断する必要がある」と指摘した。

 ただ、マーク・エスパー(Mark Esper)米国防長官は、訓練生の身元調査の手続きを見直すよう命じたことを明らかにした一方で、訓練プログラム自体は擁護した。

 サウジ空軍少尉のムハンマド・アルシャムラニ(Mohammed Alshamrani)容疑者(21)は6日、基地内の受講室で発砲し3人を殺害、8人を負傷させた後、警察に射殺された。アルシャムラニ容疑者が使用したのは、合法的に購入したグロック(Glock)社製の9ミリ口径の拳銃で、米国を「悪の国家」と非難する犯行声明を事前にツイッター(Twitter)に投稿していたとされる。

 米連邦捜査局(FBI)は8日、テロ行為との「想定」で捜査しているものの、最終的な判断はまだ下していないことを明らかにした。

 だが、ロバート・オブライエン(Robert O'Brien)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、米CBSテレビの報道番組「フェイス・ザ・ネーション(Face the Nation)」で「私にはテロ攻撃に思える」と踏み込んだ発言をした。

 エスパー長官は、米トーク番組「FOXニュース・サンデー(Fox News Sunday)」内で放送された事前録音インタビューで複数のサウジアラビア人を拘束したことを明かし、このうち「1人か2人」は事件を携帯電話で撮影していたと述べている。

 FBIのレイチェル・ロハス(Rachel Rojas)特別捜査官は記者会見で、容疑者が「単独犯か、大きなネットワークの一員か」に焦点を置いて捜査を行っていると説明した。(c)AFP/Jim MANNION