【12月9日 AFP】冬の一晩に屋外で寝ることでホームレスの人々の現状を体験し、支援金を募る世界同時イベント「ワールズ・ビッグ・スリープアウト(World's Big Sleep Out)」が7日行われ、ニューヨークのタイムズスクエア(Times Square)では、ホームレス男性を演じたことのある俳優のウィル・スミス(Will Smith)さんが感極まったスピーチで支援を呼び掛けた。

 タイムズスクエアには、氷点下の中で一夜を明かすために防寒服を着込んだ数百人が集まった。ウィル・スミスさんは参加者らへ向けたスピーチで、自身がアカデミー主演男優賞にノミネートされた映画『幸せのちから(The Pursuit of Happyness)』で、幼い息子と一緒に路上生活を強いられることになったサンフランシスコのセールスマンを演じたことは、「自分の人生を変えた経験だった」と述べ、それ以降、貧困の悲惨さについて理解できるようになったと語った。

 スミスさんは「今この場で考えても胸が詰まる思いだ」「行き場がないこと、子どもを連れて夜に頭を横たえる場所がないことは、とてつもない悲劇だ」と語った。

 主催者発表によれば、同イベントは世界各地の50以上の都市で同日開催された。ニューヨークでのイベントの寄付金は、国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)へ贈られる。主催者は「ニューヨークだけを見ても、世界大恐慌(Great Depression)以来どの時代にもなかったほど多くの人がホームレスになっている」と指摘。また「ニューヨークで今晩、保護施設で寝る人は子ども2万2000人を含む6万2000人以上に上る。世界各地の都市ではホームレスの人や難民の数が毎年過去最高を記録している」という。(c)AFP