【12月8日 AFP】ロシアの捜査当局は先週、長年にわたって虐待を受けた末に父親を殺害した3姉妹の長女と次女について、殺人罪で起訴するよう勧告した。

 長女のクリスティーナ・ハチャトゥリャン(Krestina Khachaturyan)容疑者と次女のアンゲリーナ(Angelina Khachaturyan)容疑者、三女のマリア容疑者(Maria Khachaturyan)は長年にわたり、父親のミハイル(Mikhail Khachaturyan)さんから殴打されたり、性的暴行を受けたりした。2018年7月にミハイルさんを刺殺した当時、3姉妹はそれぞれ19歳、18歳、17歳だった。

 ロシアにおけるドメスティックバイオレンス(DV)の悲惨な状況を浮き彫りにした今回の事件は、激しい抗議デモを招き、3姉妹に必要なのは投獄することではなく、精神的な援助を受けさせることだとの声が上がった。ロシアにはDVを取り締まる特定の法律が存在せず、虐待に対して目をつぶっているとして、活動家らは長い間、当局を非難してきた。

 ロシアの重大犯罪を捜査する連邦捜査委員会(Investigative Committee)は3日、この殺人事件に対する捜査を完了し、現在21歳の長女と、19歳の次女の二人について計画的殺人の罪で起訴するよう勧告すると発表した。捜査によって、姉妹が父親をナイフで刺したり、ハンマーで殴打したりして致命傷を負わせたことが立証されたとしている。

 同委員会は「酌量すべき情状」についても指摘したが、長女と次女の精神状態に異常はなく、犯行当時に自身の行動を認識していたと結論付けた。有罪となった場合、最大で禁錮20年の実刑判決が言い渡される可能性がある。

 その一方、三女のマリア容疑者については、精神科による治療の開始を義務づけるべきと勧告した。

 弁護人や活動家らは、姉妹が自分たちの身を守ることを余儀なくされたと主張し、虐待の被害者に対する法的保護が不十分であると指摘。

 次女のアンゲリーナ容疑者の弁護人はAFPに対し、姉妹は「自己防衛において合理的に実力を行使したため、今回の事件を裁判に掛けるべきではない」と述べた。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO