【12月8日 AFP】ボクシング、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチが7日、サウジアラビアのディルイーヤ(Diriyah)で行われ、アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)が判定の末3-0(118-110、118-110、119-109)で王者アンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)との再戦に勝利し、王座を奪還した。

 6月に米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で行われたルイス戦で衝撃的なKO負けを喫し、王座から陥落したジョシュアだったが、この日は序盤から相手を寄せ付けない巧みなボクシングを披露し、大差の判定で3本のベルトを取り返した。

「砂丘の激突(Clash on the Dunes)」と銘打たれた待望の一戦は、世界ヘビー級のタイトルマッチとしては初めてサウジアラビアを舞台に、首都リヤド近郊のディルイーヤで屋外に専用リングを用意して開催された。

 そして日付をまたいだころに試合開始のゴングが鳴らされると、この舞台にうまく適応して快勝を収めたのはジョシュアだった。体重の多い相手をフットワークで揺さぶり、容赦なくジャブをヒットさせていく最終スコア通りの完勝だった。

 前回の痛恨の敗戦から一転して、一方的な勝利を収めたジョシュアは、世界王者に返り咲いたことに「1回目はとても気分が良かったが、それをもう一回やらなくちゃいけなかったよ」とコメントした。

 これで戦績を23勝1敗(21KO)としたジョシュアは、インファイトへ持ち込まれて四度のダウンを喫し、プロ初黒星が付いた前回対戦の反省を生かしたことを明かしている。

「自分はずっとKO勝ちを収めてきていて、前回の試合もダメージは与えられていたが、相手を懐に入れすぎた」「言い訳は無用だし、ミスを修正してもう一度対戦すると自分に言い聞かせていた」

「とにかく偉大な巧みのボクシングを見せたかったし、この素晴らしいスポーツに美しい科学があるところを示したかった」「自分はパンチを当て、相手からはパンチをもらわないというね」

 一方、前日の計量で1回目の対戦より6.8キロも多い、128.3キロを記録して周囲を驚かせたルイスだったが、対照的に107.5キロと絞り込んだ体のジョシュアに最後まで動き回られ、パンチは空を切った。

 ルイスは準備不足だったことを認め「今夜は彼の夜だった」「必要な準備ができなかった。体重を増やしすぎたが、言い訳はしたくない。彼は勝利し、こちらを支配した」「だけど3戦目をやることがあれば、生涯最高の状態で試合に出られるはずだ」と話した。

 オーバーウエートについても「大きな影響があった」「この方が力強さが増して調子も上がると思っていたが、次はもう少し良い準備をしたい」と話している。(c)AFP