【12月8日 AFP】19-20スペイン1部リーグは7日、第16節の試合が行われ、FCバルセロナ(FC Barcelona)はリオネル・メッシ(Lionel Messi)がリーグ新記録となる通算35度目のハットトリックを達成するなどマジョルカ(RCD Mallorca)を5-2で下し、勝ち点で並ぶレアル・マドリード(Real Madrid)から首位の座を守った。

 メッシの3得点などバルセロナが記録した5点の中で最も際立っていたのは、7人が関与して最後はルイス・スアレス(Luis Suarez)がバックヒールで決めた得点だった。

 スアレスは「タイミングが少しずれたので最後の頼りはバックヒールだけだった」と得点を振り返り、エルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)監督は「驚かされた。桁違いのゴールだ」と称賛した。

 2日に史上最多となる6度目のバロンドール(Ballon d’Or)に輝いたメッシは、34回でクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)と並んでいたリーグ戦の最多ハットトリック記録を塗り替えて単独首位に躍り出た。

 バルベルデ監督は「信じられない。(ハットトリックは)バロンドールの祝砲だ」とメッシをたたえた。

 メッシとスアレスの陰に隠れてしまったものの、GKマルクアンドレ・テル・シュテーゲン(Marc-Andre ter Stegen)のフィードから抜け出してチップシュートでゴールネットを揺らしたアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)の先制点も印象的だった。

 バルセロナは本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)で創造性のある攻撃に重きを置いたため、ディフェンスのほころびからアンテ・ブディミル(Ante Budimir)に2点を許したものの、相手に追いつかれる気配はなかった。

 試合前にセレモニーが行われたピッチでメッシは、最高のパフォーマンスで自身が世界最高のサッカー選手であることをまざまざと見せつけ、今年バロンドールを受賞した理由を証明した。

 リーグ戦のゴール数を12に伸ばしたメッシは得点ランクで単独トップに立った。1点差の2位には2-0で勝利したRCDエスパニョール(RCD Espanyol)との今節で1得点1アシストを記録したレアル・マドリード(Real Madrid)のカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)がつけている。

 バルセロナとレアルは勝ち点34で並んでいるが、得失点差で上回るバルセロナが首位に立っている。3位のセビージャFC(Sevilla FC)は同4差で両チームを追う。

 メッシとベンゼマの好調は、ウインターブレークの首位ターンを決めることになる18日の「エル・クラシコ(El Clasico)」の注目ポイントとなる。

 レアルのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は、「最近はカリムのことばかり話している。いい意味でだ。年齢を重ねることで違いを作り出している。成熟したんだ」とコメントしている。

「完璧な人間などいない。だが彼はそれを追い求めているし、またそれを実現している。ゴールを求められて得点している。これ以上求めることはない。これをキープするだけでいい」 (c)AFP/Thomas ALLNUTT