【12月8日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)考古研究院は4日、同省の秦咸陽城遺跡の中心保護区で、石片をつなぎ合わせて作ったよろい「石製よろい」の工房遺構を発見したと明らかにした。秦始皇帝陵から出土した石製よろいの「工場」の一つだという。

 同研究院の許衛紅(Xu Weihong)研究員によると、石製よろいが初めて見つかったのは1998年。秦始皇帝陵の副葬坑で大量の石製のよろいとかぶとが出土した。2001年には同陵の北約4.5キロにある新豊鎮長条村で秦代の井戸が見つかり、よろいの生産地が初めて確認された。今年7月に今回の遺構が見つかったことで、秦始皇帝陵から約40キロ離れた咸陽城遺跡内でもよろいが製造されていたことが分かった。

 遺構は、西安市(Xi’an)と咸陽市(Xianyang)の間にある西咸新区の秦漢新城窯店鎮で見つかった。同地区は秦咸陽城遺跡エリアに含まれており、これまでの調査で歴代秦王と始皇帝が政務を執った咸陽宮や官営手工業工房、物資の貯蔵庫など大型重要建築物の遺構が三十数カ所分布していることが分かっている。

 今回の遺構は考古学者が今夏、一つの高台建築遺構の発掘に合わせて周辺地域を再調査した際に、同遺構の北500メートルの荒れ野で石製よろいの石片が散在しているのを見つけたことで発見された。高台建築遺構は大型宮殿の中心部に当たり、渭河の現行河道の北側でこれまでに確認された最大の単体建築とされる。咸陽城は当時、全エリアが渭河の北側にあったが、その後河道が変わり、現在は渭河が遺跡を南北に分断している。

 100平方メートル余りを対象とした発掘調査では、灰坑や住居跡、排水溝、石の研磨時に出た粉末の堆積などの遺構が見つかった。また石材や半加工品、廃品、加工時のごみ、石片をつなぎ合わせるための銅線・鉛線、鉄製の錐(きり)、鏨(たがね)、小刀、砥石などの材料や工具も大量に出土した。(c)Xinhua News/AFPBB News