【12月7日 AFP】フランス政府は6日、近年で最大規模のストライキを引き起こしている大規模な年金制度改革を引き続き進める意向を表明した。仏国内ではストにより公共交通機関の大半が運休となり、多くの地域がまひ状態に陥っている。

 5日に始まったストでは、高速鉄道TGVやパリ地下鉄の大半が運休し、空の便にも影響が出ており、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の野心的な年金制度改革案は大きな試練を迎えている。

 5日の抗議デモには80万人以上が参加。各労働組合は全国規模での抗議デモを引き続き呼び掛けており、混乱は週末をはさんで少なくとも10日までは続くとみられている。

 マクロン大統領は今のところ、ストについて公の場で発言をしておらず、争いの渦中に陥ることを避ける姿勢を示している。一方、中道右派のエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は、国民が「少し長く働く」ことになる改革案を仏政府が断念することはないと強調した。

 現在の年金制度は42種類に分かれ、鉄道運転士や兵士などの労働者が優遇されている。フィリップ首相は同制度を廃止し、ポイント制に基づいた「より公平」な統一年金制度の導入を目指して各労働組合に働き掛けると言明した。

 フィリップ首相は、政府は断固として改革を実施する意向だと表明。一部の人のみが早期に退職する状況や、同じような仕事をしているのに金額が多い人がいる状況をフランス人が今後常に受け入れることはないとの見解を示した。

 一方、改革は「段階的に、厳しさを伴わず」に行われると強調。改革の内容は11日に公表される見通しだと語った。(c)AFP/Clare Byrne and Stuart Williams