【12月6日 AFP】イタリア・セリエA、インテル(Inter Milan)のFWロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)とASローマ(AS Roma)のDFクリス・スモーリング(Chris Smalling)は5日、同リーグにおける両者の初対戦について、1面の見出しに「ブラックフライデー(Black Friday)」という言葉を使ったとして、同国スポーツ紙「コリエレ・デロ・スポルト(Corriere dello Sport)」を「ばかげている」「無神経」と非難した。

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でチームメートだった両選手が、6日に行われるインテルとローマの試合で初対戦を控える中、ローマの地元紙として知られるコリエレ・デロ・スポルトの見出しについては、非難の声が上がっている。

 ルカクはツイッター(Twitter)に「コリエレ・デロ・スポルトは両チームの対戦に焦点を当てるのではなく、私がこれまでのキャリアで見てきた中で最もばかげた見出しをつけている」というメッセージを投稿した。「あなたたちは否定的な考え方や人種差別の問題を助長し続けている」

 今年の夏にイタリアにやってきた両者は共にセリエAで活躍を見せており、ルカクはタイトル獲得の可能性があるインテルでリーグ戦14試合に出場し10ゴールを挙げ、スモーリングもローマのファンからすぐさま支持を得た。

 スモーリングはツイートの中で「けさ起きたことは間違っていて、非常に無神経であるということを僕が認めるのは重要」「この見出しをつけることに関わった編集者が責任を取り、自分たちが言葉を通じて持っている力や、そうした言葉の影響力を理解してくれることを願う」と記した。

 ローマとACミラン(AC Milan)は5日、今回の件を受けて年末まで同紙の記者を出入り禁止処分にすると発表した。

 ローマとミランは共同発表文の中で「両クラブの選手たちはこの期間、同紙の取材に一切応じない」と記した。また、処分の期間が短い理由は、「『ブラックフライデー』の見出しに関連する実際の記事は、反人種差別的なメッセージを表現している」ためだという。

 記事の中でルカクとスモーリングは「人種差別に対して強い姿勢を取っていて、両チームの象徴だ」と称賛されているが、ローマは、この見出しが良いと考える人は「一人もいない」だろうとツイートした。

 ローマで戦略部門の責任者を務めるポール・ロジャース(Paul Rogers)氏はAFPの取材に対し、「この記事が意図するものは実際のところポジティブだが、この見出しは記事に含まれている反人種差別的なメッセージを完全に消してしまう」とコメントした。(c)AFP